リチウムイオン電池の保護に役立つコンフォーマルコーティング
リチウムイオン電池は大容量の電力を蓄電でき、スマートフォンやタブレット、モバイルバッテリーやさまざまな電化製品で活躍しています。しかし、リチウムイオン電池は内部に電解溶液が使用されているため、万が一の際に液漏れによるリスクも持っています。さらに高電圧かつ大容量の電力ということもあり、発火防止のためコンフォーマルコーティングによる対策が施されています。
特にフッ素コーティング剤によるコンフォーマルコーティングは、撥水性や防湿性に優れているだけでなく、耐熱性や難燃性、電気特性や耐食性に優れているというメリットがあります。コンフォーマルコーティングを施すことで、基板で接点不良が生じ部分的に加熱され発火するというリスクを軽減するだけでなく、リチウムイオンを含んだ電解液が漏れ電子基板を損傷させるリスクを軽減することができます。また、樹脂コーティング剤と異なり、コンフォーマルコーティング自体が可燃性を有することがありません。
そのほかにも、電子基板の製造工程では静電気防止のため、温度と湿度を一定に管理しており、冷却により結露する可能性があります。しかし、コンフォーマルコーティングを施すことで完成した電池ボックス内に水分が含まれたままでも、電子基板の故障を防ぐことができます。そのほかにも、リチウムイオン電池のケース表面に加工することでケースも酸素と直接触れることを防止でき、ケースの腐食による液漏れリスクも軽減することができます。